大学受験やTOEIC、英会話など英語学習をする目的は人それぞれですが、英語のリスニングに苦手意識を持っている方は多いと思います。
また、リスニングが苦手な方の中には、
「毎日英語を聞き流しているけど、あまり効果を実感しない…。」
「リスニングが上手くなるコツとかってあるの?」
などの不安や疑問を感じる方もいるでしょう。
そこで今回この記事では、
- リスニングができない理由
- 英語のリスニングを上達するための勉強法
- 聞き取るために知っておきたいコツ
などを初心者の方でも分かりやすいように紹介・解説していきますよ。
リスニングができない理由とは
リスニングの勉強法をご紹介する前に、まずは「なぜリスニングができないのか」について詳しく解説していきます。
英語を聞き取れない理由を知ることで、後述する勉強法での学習効率がさらに上がるので、ぜひチェックしてみてください。
◎リスニングができない理由
- 知識量が不足している
- 発音の練習機会が少ない
- 返り読みの癖がついている
それでは1つずつ見ていきましょう。
知識量が不足している
大前提として英語は一つの言語であり、理解するには多くの知識を身に付ける必要があるため、単語や文法などの知識が少ない状態ではいつまで経ってもリスニングができるようにはなりません。
そのため、英語初心者の場合は最初に基礎的な勉強を終えてからリスニングを始めるようにしましょう。
また中級者以上であったとしても、意外と基礎知識を忘れていたり勉強の穴があったりするので、リスニングがうまくできない時は基礎に戻ることを意識づけておくと良いでしょう。
発音の練習機会が少ない
というのも日本の英語教育はリーディングに力を入れており、スピーキング能力を養う機会が圧倒的に少ないことから正しい英語の発音を学習できていないケースがよくあるため。
そのため英単語自体は知っていても、音声だけでは英単語を判別できない場面を経験したことがある方も多いでしょう。
返り読みの癖がついている
返り読みとは、英語を日本語に訳すときに使う方法の一つで、「I play basketball」という文章を「私はバスケットボールをします(I basketball play)」といったように日本語で理解しやすいように語順を変えて内容を把握する、昔からある英語読解方法です。
しかしリスニングをしているときに返り読みをし続けるのには限界があり、とくにネイティブスピーカー話す内容を返り読みしようとすると、返り読みしている間に話はどんどん進んでいき、置いていかれてしまいます。
そのため、リスニングに返り読みを応用することは効率的ではなく、癖がついている場合は英語を英語の語順で理解するためのトレーニングが必要になります。
英語のリスニング力を上げるための勉強法7選
リスニングができない理由が分かったところで、続いては英語のリスニング力を上げたい方におすすめの勉強法をご紹介していきます。
◎リスティング力向上の勉強法
- 基礎知識の復習をする
- 発音のルールを知る
- 英語特有のリズムを掴む
- 英語とイメージを直結させる
- シャドーイングをする
- 海外ドラマや洋画を見る
- リスニングができるアプリを使う
今回ご紹介する7つの勉強法は、どれも簡単に実践できるものをピックアップしているので、気になったものから実践してみてくださいね。
それではさっそく解説していきます。
基礎知識の復習をする
前章で解説したように、リスニングができない理由の一つに単純な知識不足が挙げられるので、基礎知識の復習は効果的な勉強法といえます。
学習する内容としては、
- 中学高校レベルの単語、熟語
- 中学レベルの文法
といった必要最低限のものを完璧に近づけることをイメージしましょう。
また単語を覚える際には音声を流して発音も合わせて覚えると、記憶に定着しやすくなるだけでなく正しい発音も覚えられて一石二鳥ですよ。
発音のルールを知る
義務教育中の英語学習では教わる機会が少ないですが、実は英語には発音のルールがいくつか存在しており、そのルールを知らないとリスニングの難易度はグッと上がります。
リダクション
「sit down」の発音が「シット ダウン」ではなく「シッダウン」となるように、スペル通りに発音されずに、単語内の音が脱落すること
リンキング
「come in」の発音が「カム イン」ではなく「カミン」となるように、単語と単語の音がつながって発音されること
英語の発音ルール(音声変化)を覚えることが、あなたのリスニング能力を大きく飛躍させるでしょう。
英語特有のリズムを掴む
英語を習得するにはリズムが重要であることを耳にしたことがある方もいるかもしれませんが、実際に多くの言語学者は英語には特有のリズムがあることを主張しており、そのリズムを知ることでリスニングのしやすさが格段に上がります。
具体的には、内容語(動詞や名詞、形容詞など)は「強く・遅く」発音され、機能語(冠詞や前置詞、関係詞など)は「弱く・速く」発音される、といったリズムのルールがあるので、リスニングする際に意識してみてください。
英語とイメージを直結させる
英語とイメージを直結させる、と言われてもピンとこないと思うので例を挙げると、「apple」という単語を見た時に、
- apple → リンゴ(日本語訳) → リンゴのイメージ
- apple → リンゴのイメージ
といったように日本語訳をするステップを飛ばすことで、一つの単語を理解する際にかかる時間が短縮されますよね。
リスニングは次々に言葉が流れていくので、毎回日本語に訳していると頭の中が混乱しやすくなるだけでなく、膨大な集中力を消費してしまいます。
そのためできるだけ日本語訳をスキップできるように、英単語を見たらすぐに頭の中でイメージが出てくるように意識しましょう。
シャドーイングをする
シャドーイングは、流れる音声を聞いてすぐに復唱する勉強法であり、リスニングスキルが鍛えられるのと同時にスピーキングスキルも養われることから、多くの人が実践している人気のトレーニングです。
シャドーイングをするうえで意識すべきポイントとしては、
- スクリプトを見ずに耳で聞こえた通りに真似をして発音する
- 実際に自分が話しているつもりで発音する
- 何度も繰り返して完璧に発音できるようになる
といったことが挙げられるので、ぜひチャレンジしてみてください。
海外ドラマや洋画を見る
海外ドラマや洋画はネイティブの自然な会話を学ぶときに最適な教材で、自分が知らない単語や表現を見つけやすく、作品自体にハマれば楽しく勉強できることが最大の特徴。
ただし大学受験やTOEIC対策としてドラマや映画を使うのはあまり効率が良い方法ではないので、英会話に使えるリスニングスキルを養いたい方にとくにおすすめの方法ですよ。
また、英語の教材としておすすめのドラマ・映画は、
- フレンズ
- スーツ
- マイインターン
などがありますが、継続できなければ意味がないので基本的には自分が気に入った作品を使ってリスニングスキルを向上させましょう。
リスニングができるアプリを使う
英語学習者の中には、まとまった時間を確保できずに通勤・通学時間を英語学習の時間として使っている方も多いと思います。
そんな方におすすめなのが、リスニングに特化したアプリで手軽に勉強する方法。
おすすめのアプリとしては、
NHK World TV
日本に関連する世界のニュースを中心にチェックすることができるアプリで、情報収集と同時にリスニングを鍛えられることが最大のメリット。
VOA Learning English
ニュースをはじめとしたさまざまな動画を読み上げてくれるアプリで、音声の再生速度を変えられることから初心者にもおすすめ。
TED
世界中のエリートによるプレゼン動画がまとまっているアプリで、ためになる講演を聞くことができ、各動画が20分程度と手軽に見られることもうれしいポイント。
などがあるので、ぜひ活用してみてください。
英語を聞き取るために知っておきたいコツ
前章ではリスニング力を上げるためにおすすめの勉強法をご紹介しましたが、実は英語には聞き取るためのコツが存在します。
そこでこの章では、日本人が英語を聞き取りやすくなるための3つのコツを解説していくので、ぜひ覚えてみてください。
◎英語を聞き取るためのコツ
- 文頭に意識を集中する
- すべての音を正確に聞き取らない
- 知らない単語が出てきても諦めない
それでは順番に見ていきましょう。
文頭に意識を集中する
まず1つ目のコツは、「文頭に意識を集中する」こと。
日本語の場合は文末に重要な言葉が置かれることが多いですが、英語は反対に文頭を理解できれば文の内容をある程度推測できます。
そのため、まだ高いリスニングスキルが身に付いていない場合は、とくに文頭の5単語程度に意識を集中して聞くようにしましょう。
また文頭を意識して英語を聞けるようになると、英語の正しい語順で内容を理解できる手助けにもなりますよ。
すべての音を正確に聞き取らない
次に2つ目のコツは、「すべての音を正確に聞き取らない」こと。
日本にはカタカナ英語の文化が浸透しており、「英単語はスペルのすべてを発音する」という固定概念を持っている方も多いことから、聞こえない音があるとその部分が気になってしまいます。
しかし前章でご紹介したように、英語にはリンキングやリダクションといった音声変化があるため、そもそもすべての音を聞き取ることは不可能です。
そのためすべての音を聞き取る意識は捨て、なんとなく英文の全体像を把握するように意識すると、リスニングがしやすくなりますよ。
知らない単語が出てきても諦めない
最後に3つ目のコツは、「知らない単語が出てきても諦めない」こと。
リスニングをしているときに自分が知らない単語が出てくると、その時点で内容の理解を諦めてしまう方もいるでしょう。
しかし、日本語で会話しているときでも相手が言っていることのすべてが聞こえなくても、何となく何を言いたいのかは推測できますよね。
それと同じように、英語でも前後の単語をよく聞けばどんな内容の話をしているのか分かるときがあるので、知らない単語が出てきても最後まで集中して聞き続けることが大事ですよ。
ただし、コツを知っているだけでリスニングができるようになるわけではないので、コツを知ったうえでリスニングの勉強を継続することが何よりも大事ですよ。
まとめ
今回この記事では、英語のリスニングについて詳しく紹介・解説してきましたが、いかがでしたか?
最後にもう一度、リスニング力を上げるための勉強法をまとめるので、一緒に振り返っていきましょう。
◇リスニング力を上げるための勉強法7選
- 基礎知識の復習をする
- 発音のルールを知る
- 英語特有のリズムを掴む
- 英語とイメージを直結させる
- シャドーイングをする
- 海外ドラマや洋画を見る
- リスニングができるアプリを使う
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