英語の勉強法にはさまざまな方法が存在しますが、その中でも取り組みやすいのが「音読」ですよね。
そんな音読ですが、
「音読ってどれくらいの学習効果があるの?」
「効果的なやり方を知りたい!」
などの疑問を感じる方もいるかと思います。
そこで今回この記事では、
- 英語音読のメリット
- 正しい音読のやり方
- 英語音読におすすめの教材
といった内容を詳しく紹介・解説していきますよ。
英語の音読って?
音読は小学校や中学校の授業でやったことがある方も多いと思いますが、文章を声に出して読み上げることで内容を頭に入りやすくする効果があります。
ですが大人になるにつれて、音読をする機会はだんだんと減っているでしょう。
しかし、音読は英語に限らず第二言語の習得するためによく用いられる勉強法であり、多くの大学教授や通訳者の間で音読をすることが勧められていまず。
そのため、「音読は子どもがする勉強法なんじゃないの?」と敬遠してしまう方もいるかもしれませんが、実は英語学習への効果が大きい勉強法なんです。
英語音読のメリット
音読は多くの人にとって身近な勉強法でありながら、メリットや学習効果について深く考えたことはあまりないのではないでしょうか。
そこでここでは、英語学習をすることで得られる3つの大きなメリットを詳しく解説していきますよ。
実際に音読を始める前にメリットを把握しておくことで、より目的意識をもって学習に望めるので、ぜひチェックしてみてください。
それではさっそく見ていきましょう。
速読のスキルが身に付く
まず1つ目のメリットは、「速読のスキルが身に付く」です。
読むスピードは声に出しても出さなくても変わらないように思えますが、人間は黙読をする際にも頭の中で音声化して文章を読んでいるため、音読がスムーズにできるようになれば黙読のスピードも速くなるんです。
また英文を声に出して読むにはすべての単語を発音する必要があり、より多くの単語に意識を集中させて英文を読んでいくことになるので、英文読解能力の向上も見込めますよ。
リスニングスキルが向上する
次に2つ目のメリットは、「リスニングスキルが向上する」です。
日本人によくあるリスニングの悩みとして、短い英文なら聞き取れるけど長文になると途端に聞き取れなくなることがあると思います。
これは英文を日本語の語順で理解する「返り読み」の癖がついていることが原因であり、英語を英語のまま理解する力をつけることで解決します。
そこで英文を声に出して読んでいくことで、自然と英語の語順で意味を理解できるようになっていくんです。
また音読をする際に英文の中で自分の知らない単語や表現が出てきても、その都度意味や発音を調べていけば聞き取れるようになるので、単純に知識量の増加という面でも音読はリスニング力の向上に効果的といえますよ。
英語の発音が良くなる
最後に3つ目のメリットは、「英語の発音が良くなる」です。
日本の英語教育ではリーディングやリスニングに重点を置いた学習をしており、スピーキング能力を鍛える時間が圧倒的に少ない特徴があります。
そのため、英語を読むときにカタカナ英語になってしまったり正しい発音で喋ることに恥ずかしさを感じてしまう人もいるでしょう。
そこで英文を音読する習慣をつけることで、英語の正しい発音が身に付きやすくなり、英語を発音すること自体の恥ずかしさも次第になくなっていきますよ。
以上のように、英語の音読にはさまざまなメリットがあるんです。
またご紹介したメリットをよく見てみると、英語4技能と言われている「聞く(リスニング)」「話す(スピーキング)」「読む(リーディング)」「書く(ライティング)」のうち、3つを鍛えられることが分かります。
そのため、英語で音読することは総合的な英語力向上に効果的な勉強法といえますよ。
正しい英語音読のやり方
前章では英語の音読で得られるメリットについてご紹介しましたが、そのメリットを最大限引き出すには正しく音読する必要があります。
そこでこの章では、正しい英語音読をするために知っておきたい5つのポイントを解説していくので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
それでは順番に詳しく見ていきましょう。
単語や表現の意味を理解しておく
まず1つ目のポイントは、「単語や表現の意味を理解しておく」です。
音読をする際は英文の内容を理解している方が学習効果が高まるので、初めて見る英文の場合は事前に分からない単語や表現をなくしておきましょう。
また単語を覚える際は、「apple=リンゴ」「リンゴ=apple」のように、日本語と英語のどちらからでもすぐに意味をイメージできるようになると記憶に定着しやすくなりますよ。
チャンクごとに読んでいく
次に2つ目のポイントは、「チャンクごとに読んでいく」です。
チャンクとは英文における意味の塊のことであり、例えば「I wanted to buy new furniture, but I couldn’t find what I liked」という英文があったとしたら、
- I wanted to buy new furniture(私は新しい家具が欲しかった)
- but I couldn’t find what I liked(だけど気に入るものが見つからなかった)
というように、文章を意味ごとに大きく分けて読んでいくことで、英語の語順のままストーリーを理解できるようになります。
なぜなら人間の脳は長文を全部そのまま理解することはできず、5語~10語程度ごとに内容を処理しているため。
またチャンクの区切り方に明確な決まりはなく、関係代名詞や接続詞の前などある程度の判断材料はありますが意味を理解しやすいところで区切るのがおすすめですよ。
サイトトランスレーションをする
次に3つ目のポイントは、「サイトトランスレーションをする」です。
サイトトランスレーションとは、チャンクごとに意味を訳していくトレーニング方法であり、通訳者のトレーニング方法としても採用されています。
具体的なやり方としては、
- 英文をチャンクごとにスラッシュで区切る
- チャンクの意味をメモしていく(発音する)
といったようにシンプルな勉強法です。
はじめのうちは訳した後の日本語が不自然に感じるかもしれませんが、継続していくことで英語の語順で文章を理解できるようになるでしょう。
またすでに英語を英語のまま理解できる方は、サイトトランスレーションをやる必要はあまりないですよ。
自分が音読した音声を録音する
次に4つ目のポイントは、「自分が音読した音声を録音する」です。
というのも、音声を録音することで自分が正しい英語の発音ができるているか確認することができ、スピーキング力向上につながるため。
「音読しながらでも発音のチェックはできるんじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、自分の発音は自分が話しているときには正確に聞き取れず、録音した音声を聞くことで初めて正しく発音できるているか判断できるので、できるだけ録音することを意識しましょう。
また音声付きの教材を選ぶことでネイティブの発音と自分の発音を比べることができるので、発音に自信がない方は音声付きの教材がおすすめですよ。
音読しながら意味をイメージできるまで繰り返す
最後に5つ目のポイントは、「音読しながら意味をイメージできるまで繰り返す」です。
というのも、音読をすることの目的である「英語をスムーズに理解すること」はただ英文を読むだけでは達成できず、同じ英文を何度も繰り返し読むことで効果が出てくるため。
繰り返す回数の目安としては、英文をネイティブと同じくらいのスピードで読みながら瞬時に話している内容をイメージできるようになるまで同じ英文を繰り返し音読するようにしましょう。
また繰り返していくうちに英文を覚えてきたら、暗唱するのもおすすめですよ。
【レベル別】英語音読におすすめの教材6選
英語の音読は先ほどご紹介したポイントを意識することでより効果的な勉強となりますが、もう一つ重要なのが「音読に使う教材」です。
そこでここでは、英語の音読におすすめの教材をレベル別に全部で6つご紹介していくので、ぜひあなたが使いやすいものを見つけてみてください。
それではさっそく見ていきましょう。
【初心者向け】英語音読におすすめの教材!
基本の78パターンで 英会話フレーズ800
1つ目の初心者向け教材は、「基本の78パターンで 英会話フレーズ800」です。
この教材は日常の英会話でよく使うフレーズがまとまった本であり、付属の音声を使いながらフレーズごとに音読学習ができるため、初心者でも気軽に音読学習を始められます。
また英会話をパターン化して覚えられる特徴があるので、英会話力を向上させたい方が使うと一石二鳥の効果を得られる一冊となっていますよ。
なお、価格はAmazonで1,100円となっています。
みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング
次に2つ目の教材は、「みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング」です。
この教材は中学レベルの英文を使った音読学習ができ、英文の構造と意味を理解することに重点を置いた一冊となっています。
また「音読パッケージ」という、通常の音読にシャドーイングとリピーティングを組み合わせたオリジナルの学習法を使ってトレーニングが進んでいき、音読で得られる学習効果の最大化を目指せることが大きな特徴です。
なお、価格はAmazonで1,870円となっています。
【中級者向け】英語音読におすすめの教材!
英会話・ぜったい・音読 【標準編】
1つ目の中級者向け教材は、「英会話・ぜったい・音読 【標準編】」です。
この教材は、”英語を身に付けるためには絶対に音読が必要である”という理念のもと、高校受験レベルの音読を12レッスン分収録した本になっており、音読を通して英語の基礎回路を作り上げることが期待できます。
また中級としての「標準編」以外にも、初心者向けの「入門編」や上級者向けの「挑戦編」もあるので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
なお、価格はAmazonで1,430円となっています。
DUO 3.0
次に2つ目の中級者向け教材は、「DUO 3.0」です。
単語・熟語帳として人気のこの本では、英文を通してボキャブラリーを増やせる手軽さから大学受験の参考書としても人気の一冊。
この本では重要な単語や熟語が全部で560個の例文で紹介されており、その例文をチャンクとして使うことで、短文の音読に最適な教材となるんです。
もちろん音読をしていく中でボキャブラリーも増えるため、英語の基礎を復習したい方にもおすすめといえるでしょう。
なお、価格はAmazonで1,320円となっています。
【上級者向け】英語音読におすすめの教材!
ハリウッドスターの英語
1つ目の上級者向け教材は、「ハリウッドスターの英語」です。
この本はハリウッド俳優のインタビューが収録された本であり、付属のCDを流しながら音読をすることでリアルな英語で音読学習できることが大きな魅力。
それに加えて、俳優ごとにさまざまなバージョンが発売されており、好きな俳優や発音を真似したい俳優のものを自由に選べるのもおすすめポイントの一つです。
なお、価格はAmazonで1,980円となっています。
English Grammar in Use Intermediate版
次に2つ目の上級者向け教材は、「English Grammar in Use Intermediate版」です。
この本は、文法書として世界的に人気な「Basic Grammar in Use」のレベルアップ版で、全編英語で書かれていることが特徴。
そのため、英語にある程度慣れていないと使いにくさを感じるかもしれません。
しかし文法書としての価値はもちろんのこと、音読に使う際にも本の中で好きな文章をどこからでもピックアップして使えるので、この一冊さえあれば長期間の学習に対応できるでしょう。
なお、価格はAmazonで2,561円となっています。
英語音読をするときのポイント
この記事内では英語音読のやり方やおすすめの教材をご紹介してきましたが、「まだ音読に慣れてなくて正しい音読の方法が実践できない…。」という方もいるでしょう。
そこでこの章では、英語初心者の方が音読の際に意識すべきポイントをご紹介していくので、英語の音読に慣れていない方は参考にしてくださいね。
それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。
カタカナ英語にならないようにする
まず1つ目のポイントは、「カタカナ英語にならないようにする」こと。
はじめのうちは英語を発音するのが恥ずかしくてカタカナ英語になってしまいがちですが、ネイティブを真似するように抑揚をつけた発音をすることで、英文を流れるように読む手助けになります。
また英語は必ずしも単語のスペル通りに発音する必要はなく、実際にネイティブでも発音しない音があったりスペルとは違う発音になることもよくあるので、音読する際には単語のスペルよりも発音記号や耳で聞こえた音を意識して発音するようにしましょう。
スラッシュリーディングをする
次に2つ目のポイントは、「スラッシュリーディングをする」こと。
最初からいきなり長文をスラスラと読むのはハードルの高さを感じる方も多いと思います。
そこで、音読に使う文章をあらかじめ「/(スラッシュ)」で区切っておき、スラッシュでつくったかたまりごとに英文を読み進めていくことで、次第に長い文章にも慣れていきますよ。
またスラッシュリーディングをおこなうことで英文の構造への理解も深まるので、文法の勉強をするときに頭に入りやすくなるといったメリットもあります。
回数や期間のノルマ設定をしない
最後に3つ目は、「回数や期間のノルマ設定をしない」こと。
というのも、音読が上手くできないからといって「今日は30回音読をやろう!」や「1ヶ月間は毎日音読するぞ!」などのように事前にノルマ設定をすると、逆にハードルが高くなってしまい学習が続かなくなる恐れがあるため。
また音読をする回数は個人によってさまざまであることから、回数設定をすること自体にあまり意味はないといえるでしょう。
まとめ
今回この記事では、英語の音読について詳しく紹介・解説してきましたが、いかがでしたか?
最後にもう一度、英語音読のメリットと正しいん読のやり方をまとめるので、いっしょにふりかえっていきましょう。
◇英語音読のメリット
- 速読のスキルが身に付く
- リスニングスキルが向上する
- 英語の発音が良くなる
◇正しい英語音読のやり方
- 単語や表現の意味を理解しておく
- チャンクごとに読んでいく
- サイトトランスレーションをする
- 自分が音読した音声を録音する
- 音読しながら意味をイメージできるまで繰り返す